京都の食に深く関わる「畑菜」~試食会を訪ねて…~

2月4日(土)
Link編集室一行は、伏見区にある農産物直売所「じねんと市場」を訪ねました。この日は、京の伝統野菜のひとつである「畑菜」の試食販売会があり、取材に足を運びました。

伏見の農産物直売所「じねんと市場」を訪ねて

会場となる「じねんと市場」は、近鉄・地下鉄 竹田駅西2番出口から西へ歩いて5分ほどにある農産物直売所です。
現場に到着すると、まず目に留まったのがこの看板!

看板に写っているのは、JA京都市の組合員さんである樹下(きのした)ちえ子さんです。樹下さんは畑菜生産者として、同じ地域の組合員とともに売り場に立って、畑菜を使ったお惣菜を提供されました。

京都の食の歴史と深く関わる「畑菜」とは・・・

そもそも、みなさんは「畑菜」がどんな野菜かご存じでしょうか。あまり馴染みのない野菜かもしれませんが、「畑菜」は京の伝統野菜の一つで、「江戸時代の京野菜」として文献に記されるほどの歴史ある野菜です!

京都の食と深く関わっており、京都では2月の初午(はつうま)の日に畑菜をからし和えなどにして食べる風習があります。初午(はつうま)の日は「伏見稲荷大社の神が降りた日」とされ、例年伏見稲荷大社で大祭が開催。2023年は2月5日に執り行われました。

畑菜の試食会に取り組まれています
売場には樹下さんが育てた畑菜が並びました
畑菜を使ったレシピを調理する樹下さん

久我地域と「畑菜」

畑菜は京都市内では伏見区久我地域で生産されており、地元では「久我菜」とも呼ばれています。京都市内で昭和30年代まで広く栽培されてきましたが、現在では生産者の減少が続いています。JA京都市久我地域の組合員さんたちは畑菜の普及渇望に取り組むべく、毎年初午の日を前に試食会を実施しています。

この日も樹下さんをはじめ、組合員さん3名が「からし和え」「白和え」を来場者に提供していました。試食した方からは「食べやすくて美味しい」と好評でした。

畑菜の白和え(左)畑菜のからし和え(右)

「畑菜」試食会の取材を通して…

畑菜以外にも、京の伝統野菜にはたくさんの種類があり、管内にはその種を残す生産者がいらっしゃいます。そこには京都の歴史や文化が大きく関わっています。農地を残すだけでなく種を守り続けることが生産者の役割であると考えています。今後もLink編集室では、種、生産、ひいては京都独自の食文化を守る生産者にスポットを当て「都市農業」のいまを伝えていきたいと思います。

じねんと市場
所在地:京都市伏見区竹田青池町125
TEL:075-646-0831/FAX:075-642-0077
営業時間:平日9:00~19:00 土日祝9:00~18:00
定休日:年末年始、不定休

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